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2005年06月22日

恐るべし。「愛の流刑地」

[愛ルケ]

日経新聞に連載中の小説、渡辺淳一先生の「愛の流刑地」。

朝っぱらから「秘所」だの「愛撫」だの、シックスナイン描写だの…と、穏やかではない。
日本を代表する経済新聞の折り込み面にエロ小説。海外のメディアが
「日本の、セックスに対する、信じられないほどの寛容さ」
なんて見出しを付けて、喜んで取り上げそうなネタだと思うのだが、どうなんだろう?
(日経新聞は高校生あたりも読んでるんとちゃいますか? コンビニでエロ本売ってるのと一緒っす)

先日の「59番目のプロポーズ」の紹介の中で引用したら、その日からこのブログへのアクセスが急増(笑)。
解析結果を見たら、「愛の流刑地」のキーワード検索してくる人たちが沢山いるらしいことがわかった!
「愛ルケ」の愛称でツッコミを入れるサイトも人気だし、「愛の流刑地」ネタ、実はネットで大爆発してるみたい?!

しかし、そもそも、なんでまた日経新聞にエロ小説なのか?

ベースには「失楽園ブームよ、もう一度!」という思いがあるのは間違いなさそうだ。
「大人の純愛」なる、(←ちょっとどうかと思うけど…)導火線に火をつけた「失楽園」の成功があったからこそ、ここまでエロエロな企画が臆面もなく日経の朝刊に登場しているのだ。きっと裏ではすでに単行本化や映画化など、「失楽園」のときのチームが動き始めているにちがいない。


担当 「 こんな卑猥な作品を天下の日経に掲載していいのか、って投書がまたこんなに来てますよ」

デスク「 阿呆! 連載途中にやいのやいの言われるのは、『失楽園』のときも一緒だったんだよ。
     最終回までに「文化」の匂いのする作品に仕上げていただければ、大丈夫なんだ。
     妙な心配してねえで、渡辺先生の筆の勢いをもっともっと盛り上げて差し上げろ!」


とかなんとか(以上妄想)。
しかし、また、どうしてこのタイミングで?
答えは、この連載の前の作品、「新リア王」にあるのではないかと勘ぐってしまう。

「新リア王」は高村薫先生が執筆し、03年3月に連載開始され、04年10月31日に連載打ち切りとなった作品である。
連載開始時には「あの、『レディ ジョーカー』の…」などと日経の紙面にも大々的に告知されたが、「政治と仏教」という非常に重く、暗いテーマ。一文が10行以上にも渡る長文や、独白風の言い回しは、ほかの高村作品と比較しても、群を抜く読みにくさであった。読者の評判は相当に悪かったのではないか。
しかもフィクションでありながら、有名政治家の名前が登場するなど、「ちょっと、これ、大丈夫?」というシーンが出てくる。連載打ち切りは政治家からの圧力があったのではないかとう説があるが、おそらくその通りだろう。
しかも悪いことに、途中、挿絵画家が「アエラ」の表紙写真を無断で下絵に使ったなどの事件があった。
そのあたりから、日経新聞はこの連載を「守りきる」ことができなくなったのではないかと想像する。


デスク「だから、最初から俺は高村薫はやだっつったんだよ!」

担当 「でも、『レディ ジョーカー』のファンだって、先生に言ってたのはデスクでは??」

デスク「阿呆! お前があんなパクリの絵師ブッキングしたから俺も守りきれなくなったんだろうが。
     政治部の奴らなんかカンカンだぞ。朝日の奴らに「パクリ新聞」呼ばわりされるわ、
     ●●先生や■■先生には「あの実名入り小説はどういうことなんだ」と怒鳴られるわ…。
     そんな辛気臭い小説、いつまで垂れ流しておくつもりだ? とよ」

担当 「…って、どうしましょうか? 連載開始時にこういう構成でOK出したのはこちらですし」

デスク「打ち切りだ、打ち切り! 打ち切るしかねえだろ。
     理由なんざ、いくらでも出せるだろうがよ」

担当 「ど、どうするんです? その後は?」

デスク「二度と政治の匂いのする作品は連載しない、ってことで握ってきた。
     疫病神のお払いがてら、ドカーンと一発、花火みてえな連載を持ってくる!」

担当 「いや、持って来る…って、どこにそんな作品執筆してくれる先生がいるんですか?」

デスク「阿呆! 渡辺先生がいらっしゃるだろ。渡辺先生が!
    『失楽園』よ、もう一度、だ!」

担当 「あ、…ああ! その手がありましたね!」

デスク「先生にこの前お会いしたとき仰ってた!
    『失楽園』の倍くらい官能的な構想をお持ちなんだと」

担当 「…倍って…。あの、大丈夫っすか?
      スポーツ夕刊紙のエロ小説みたいなことになりませんかね?」

デスク「阿呆! 渡辺先生の小説はエロじゃねえ。官能小説だ。
     そもそも『失楽園』だって、エロだ、不倫だって騒いだのは女性週刊誌だろ。
     それだって、映画ができるころには迎合してたんだからな。
     読者の、働き盛りの男性たちには『生きる希望』って喜ばれるってもんだ!
     元気になって、景気だって上向きになってくる!
     官能小説ってのは、そういう特別な力があるんだよ」

担当 「…は、はあ」

デスク「すぐ渡辺先生に連絡して、ご承諾取って来い!
       取れたらすぐ高村先生に打ち切りの件お伝えしろ!
     ただし、絶対に圧力がありましたなんて言うなよ。わかってるな!
     あと、挿絵画家は絶対パクリしねえ先生をブッキングしろよ!」

担当 「…は、はいっ」


…とかなんとか(以上妄想)。

かくして、連載小説「愛の流刑地」は、超法規的措置に近い形で連載に…。
だから、ますますもってエロ街道一直線なのだ。
…って、いや、全部妄想だけど(笑)

「愛ルケ」サイトなどでさんざんツッコミ入れられている「愛の流刑地」だが、爺さんビジネスマンの集まりでは相当評判がいいらしい。
「男に生きる希望を与える」コンテンツづくりと言う点では、成功というべきか。
…って、いや、全部妄想なんだった(笑)

「愛の流刑地」の話題BLOG

Posted by Johane at 2005年06月22日 05:17

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» ブック・バトン(次の走者募集中) from ukiki01_blog
ahahaさんからブック・バトンなるものをちょうだいしました。 ahahaさんは「日本文学近代・現代編」と限定しておられるのですが、源流をたどってみるとぐたさ... [Read More]

Tracked on 2005年06月27日 23:39


» 「愛ルケ」<妄想>編集部譚 from JOHANE'S "YOWANE" ~よはねの弱音[妄想系]
前回までのあらすじ>作家の渡辺淳一先生(72)が日経新聞で連載中の小説「愛の流刑地」(通称「愛ルケ」)は、主人公である作家の村尾菊治(55)と人妻・入江冬香(3... [Read More]

Tracked on 2005年10月03日 00:00



Comments

はじめまして。
ukiki01と申します。
ふらふらとたどりつきましたら、ついさっき、まさにこの話題のコメントを受け取ったところなのでうれしくなりました。
記事のTBさせていただきます。
しかし朝から渡辺淳一て、暑いのに、なんですねえ⋯⋯。

仕事終わったらゆっくり拝見しに参ります。

Posted by: ukiki01 at 2005年06月27日 23:34


はじめましてukiki01さん、コメント&TBありがとうございます!TBお返しさせていただきます。

でも、日経新聞側はなんやかんやで相当喜んでいると思うんですよ。賛否両論こそあれ、これだけ話題になってるわけで。おそらく部数も伸びているのでは?(とくに駅売り) 
今日、たまたま顔合わせした友達やその友達4人が揃いも揃って全員本日の「愛ルケ」の内容をきちんと言えました(その事実に皆、爆笑。「やっぱ、読んでるなあ」と)。
「新リア王」じゃ、ありえませんでしたよね…。

渡辺先生、どうよ?とも思いますが、まあ、そういうのが好きな作家先生なのだから仕方ないかな、と(笑)。
気になるのは青少年への影響などを無視して(?)嬉々として掲載を続けている日経新聞の姿勢です。
石原都知事あたり
「こんなもの、(R指定の)ビニール包装させろ!」
と吼えてくれないかな。。。

Posted by: よはね [TypeKey Profile Page] at 2005年06月28日 02:31


こんばんは。コメント&TBありがとうございました。
まわりに読者がそれだけおられるとは(笑)。
青少年は渡辺淳一を読むんでしょうかね⋯⋯読みそうですね、とっても。お父さんがとってる日経をこっそり→学校で「読んだ?」とか話してたりして。ああ。
石原都知事が出てきたら、作家対決ですな。それもおもしろそう。こうなったら、何が起こっても話題づくりということで、日経はほくほくですね。

Posted by: ukiki01 at 2005年06月29日 01:31


「愛の流刑地」にはポルノ男・渡辺淳一の私生活の告白がかなり含まれているのか、それとも単なる作り話なのか。

Posted by: flower at 2005年07月17日 12:40


flowerさん、コメントありがとうございます。
いろんなサイトを見てみると、渡辺淳一先生はこれまでご自身の体験を作品に盛り込んできたらしいとのこと。
しかし「愛ルケ」見てて思うのは、あんな風に男にとって都合のいい女性は、現実世界ではありえないですよね(笑)
あの作品、とくに女性に評判が悪いのは、そういうところにあるんだと思います。

Posted by: よはね [TypeKey Profile Page] at 2005年07月17日 19:35


 アエラに載ってましたねー。女性読者の批判をものとせず連載続けるぞー!!と、怪気炎あげている記事が(笑)
 これ、外電で北米や欧州に流れたら面白い。クオリティペーパーがポルノ小説を連載して読者から批判が殺到したが、一流会社の男性読者に評判がよいので、いけいけで連載を続けているってね。だって、北米ってセクハラに敏感でしょう。まかり間違って、北米で商いしている会社の人たちがノリノリで愛ルケを支持しているなんて、社名入りで記事になったら・・・・日本経済沈没かも♪ 日経平均続落よっ(はーと) あっ、大企業がそんなマネジネントにうといわけないですよね。そんなことになって、これ以上日本女性に恥をかかせないでくださいね!!! 
 大和撫子って独りではなれないもので、きちんとした男性がいてこそ存在できるんですから、早く幼稚園児のスカートめくりのようなメンタリティの小説から卒業してほしいものです。

Posted by: アーク at 2005年07月23日 01:02


アークさん、コメントありがとうございます。

なんと!「AERA」チェックしてませんでした。が、大至急手に入れてチェックしたいと思います。

この週末、ふと、(…本当に「ふと」、なんですが…)もしかしたら渡辺淳一先生は「愛ルケ」で新しい形のサブカルチャーを提案したかったのではないかという仮説を立ててみました。
この常識的に考えて、あまりに恥ずかしすぎる女性のキャラクター設定やセリフ、「うっかり」と言うにはあまりに矛盾が多いストーリー展開は、ボケというにはあまりにあからさま過ぎるではないか、と。
活字にするということは、編集者チェックだけでなく、校正や校閲も入るはずですから。
作家先生が「狙って」いるからこその、<ありえねー!>ではないか?と。

ちょうど、「ガロ」みたいなサブカル雑誌掲載作品みたく、キッチュさや不条理さを前面に押し出している作品なのだという前提で「愛ルケ」を読んでみると新しい発見があるのではないかという気分になってきたわけです。
たとえば夢野久作先生とまでは言わないけれども、団鬼六先生くらいの雰囲気を狙って、渡辺淳一先生が書いているのだとしたら??
日経新聞というメディアでサブカル小説。。。それって、実はかなりイケてるのかもし…し…しし、れ、…しれ、しれ、しれ…

しってれぼ!
(↑北斗真拳的爆発)


やっばい、やっばい!
そんなワケないっすな。


ところで、先日、神保町の、とある有名会館の喫茶室で、挿絵の冬香の雰囲気そのままのウエイトレスさんを発見!(年齢的には若い)
だから、何?!って話ですが、人に言いたくて仕方ないっす(笑)

Posted by: よはね [TypeKey Profile Page] at 2005年07月24日 22:46


 こんばんは。連投です。
 冬香の雰囲気のウェートレスさんですか(笑) 雰囲気が似ている人がいても、ああいう性格の人はいないでしょうねぇ。AERAでも、”今、恋をしている”って、営業トーク炸裂してましたが、あんなの真にうける人いるんでょーか? 恋を知っている人があんな小説書けるとはとても思えないけど(爆笑)
 渡辺淳一先生は、男は恋をしている最中でなければ恋愛小説は書けないとおっしゃっているようですが、ゲーテって恋が終わってから小説を書いていたんじゃなかったろーか? 私の記憶違いでなければ、ゲーテって、確か”男”だったと思うけどなー。(ウェテルのファッションが一大ブームをつくった事でも有名)
 愛ルケは、直木賞選考委員の立場でどれだけひどい駄作を書き続ける事ができるかという壮大な実験をしているんですよ。そうなると、やっぱり一種のサブカル・・・。あ、「文学」と、いうのが日経の苦情に対する言い訳だったったか。残念。この仮説は放棄致します。

Posted by: アーク at 2005年07月25日 00:22



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