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2005年08月25日

「必要になったら電話をかけて」

[good 本]

村上春樹訳のレイモンド・カーヴァー全集(The complete works of Raymond Carver)最終巻「8」のタイトルが「必要になったら電話をかけて」。
和田誠画伯の馬のイラストがかわいくて仕方がない。

村上春樹文体にアレルギー反応のある方には無理にオススメしないけれど、もし文学が好きというのならば我慢してでも読んでいただきたいと思う、レイ・カーヴァー。
あ、もちろん英語で読める人は原書で読むのがいいと思います、Raymond Carver。

オイラが大学生の時分に全集を買い始めたのだが、ようやく昨年に完結したのだ。
かれこれ20年仕事ですな。

実はここにあるamazonのリンクは単行本版の「必要になったら…」で、全集版ではない。
amazonが仕入れてないのかな? 全集版で見逃せないのが、カーヴァーのインタビュー記事である。
モノを書くということについて、彼の話を聞いているだけで物語を書きたくなってくる。
どすか!?

生きていくとき、ものを考えるとき、あるいは書くとき、私はレトリックや抽象性に身をまかせたりはしない。だから人間について描くとき、私はできる限り手で触れることができるようなセッティングに彼らを置こうと努める。そしてそのセッティングの一部に、テレビやテーブルや机の上に置かれたフェルトペンが含まれている、ということになるかもしれない。しかしシーンのなかにいったん持ち込まれたら、それらは話と無関係でいることはできない。べつにそいういう事物が独自の生命を持たなくちゃいけないとか、そんなことを言っているんじゃないよ。でも何らかのかたちで「感じられる」存在でなくちゃならないんだ。



私にくぐい去ることのできない印象を与えたのは、まわりに実際にいた人々の送っていた生活の中に見受けられたものごとであり、私自身が送っていた生活の中に見受けられたものごとだった。そんな生活の中では、昼でも夜でも、ドアがノックされたり、電話のベルが鳴ったりすると、人々は真剣に肝を冷やす。どうやって家賃を払えばいいのか、彼らには見当もつかないし、冷蔵庫が壊れたらどうすればいいのかもわからないんだ。アナトール・ブロイヤードが私の短編小説『保存されたもの』を批判してこう言った。「冷蔵庫が壊れた。修理屋に電話して、直してもらえばいいだけのことじゃないか」と。そういう指摘は馬鹿げている。修理屋を呼んで直してもらえば、六十ドルはかかるんだ。もし、冷蔵庫が完全に壊れていたら、いったいいくらかかると思う? ブロイヤードは知らないかもしれないが、六十ドルがなくて修理屋を呼べない人たちだって世間にはいるんだよ。


Posted by Johane at 2005年08月25日 22:43

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