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2005年10月01日
「愛ルケ」<妄想>編集部譚
[愛ルケ]
<前回までのあらすじ>
作家の渡辺淳一先生(72)が日経新聞で連載中の小説「愛の流刑地」(通称「愛ルケ」)は、主人公である作家の村尾菊治(55)と人妻・入江冬香(37)の恋愛小説である。しかし描写のあまりの淫らさから「不快極まりない」、「青少年への悪影響は?」、「むしろ、スポーツ紙の風俗小説以下」、「女性蔑視表現が尋常ではない」、「この連載がある間は日経の購読を中止する!」などの謗りや抗議の声が多数上がる。またインターネット上では「愛ルケ」にツッコミを入れるサイトに人気が集まったり、某大手下着メーカー社長が「楽しみにしている」とブログで書いたために不買騒ぎ→謝罪→ブログ廃止になったりと、様々な話題を振りまいてきた。「意図的な話題づくりだろうが、行き過ぎではないか?」との批判が集まる中、物語は主人公・菊治が「冬香の求めるままに首を絞め、勢いあまって殺してしまう」という、おどろおどろしい展開に。純愛物語の山場、[主人公の、苦難と忍耐]の章に突入となった。当の日経新聞は「失楽園」ブームで実績のある渡辺淳一先生作品だからなのか、粛々と連載を続けている。(「愛ルケ」の<あらすじ>はNIKKEI NETでも見られます)。
(ココから先は妄想)
しかし、日経新聞の「愛ルケ」担当編集は騒動の中、苛立ち、苦しんでいた。
デスク 「えー、なになに? なんだよ、またフェミニズムのおばちゃんか?
「純愛」が聞いて呆れます。 だとよ?
まるで女性を性の玩具同然に扱っておきながら、「それは純愛だから」と言えば
免罪されるとお考えなのでしょうか。
あまりに身勝手で、あまりに虫のいい「純愛」に怒りを禁じえません。
しかも、冬香なる登場人物を主人公が「性愛の高まりゆえに殺した」というくだり
に至っては、怒りを通り過ぎて呆れてしまいました。
物語の中では「ふたりの高まりゆえに」ということになっていますが、
物語を俯瞰して読むならば、作者はこの女性を最初から殺したかったのだと
思わないではいられません。
主人公がこの女性を喪失して感傷に浸るという筋書きのためだけに。
物語を盛り上げるために、不倫相手である冬香には子供を持たせ、
目にするのも憚るような激しい性愛描写をしていたのですね。
いくら物語の中の人物とはいえ、この弄び方は尋常ではありません。
そこに作者の、「女性に対する驕り」「女性に対する蔑視」の姿勢を
しっかりと見て取れます。彼は女性をまともな人間として扱う気がないのでしょう。
幼い子をもつ女性がどれほどの愛情と母性で子供を育てているのかを
きっとご存知ないのだと思います。
子供との触れ合いの中に母としての人生の価値を見出そうと葛藤することもなく
ただ性愛の喜びを見つけてくれたという理由だけで、
男に命を捧げようとした女がいた、という物語なのだとすれば、
少なくとも「純愛」などと表現するのは止めて頂きたい。
人間はそれほど愚かでも、単純でもあるはずがありません。
冬香という女性は、せいぜい
「男の想像の世界の中にだけ存在する、都合のいい女」です。
つまりポルノ写真の中のピンナップガールです。
このように低俗で、人間の尊厳を冒涜するような作品を
懲りもせず連載している貴紙に対して強い憤りを感じます。
即刻、「愛の流刑地」の連載を中止されることを望みます。
人として最低限のモラルを持った作家先生が連載執筆されますことをお祈りいたします。
あっはっは、このおばちゃん、文句つらつら書いてる割には
毎日よく読んでくれてる熱心な読者様じゃねえか。なあ?」
担当 「そうなんですよ。文句書いてる割に、よく読みこんでるなー、って人多いですよね(笑)
けど、なかなか鋭いツッコミじゃないですか?」
デスク 「阿呆。いいじゃねえか。いいカンジに盛り上がってるじゃねえか。
こういう、文句の長文が来るってのは、話題になってる証拠なんだよ。
いいか、おぃ、『抗議』ってのは、決して『評判』の反対語じゃねえんだぃ。
『大抗議』ってのは、『大評判』の親戚なんだよ」
担当 「じゃ、『大評判』の反対語は、ナンなんです?」
デスク 「阿呆! お前、大学でナニ勉強してきたんだよ?
『大評判』の反対語は『無視』って、大政奉還の時代から決まってんだろ。
何の反応もなくなったら、そン時がヤバイ時だ!」
担当 「でも、冬香が死んでからは、今までとちょっと違う投書も増えましたよね。
男性読者から、『どうして殺してしまったんだ!』っていうのが。
大丈夫っすかねえ?
いやココだけの話、ボクも正直、"死にオチ"はちょっとルール違反じゃ?
って思ったんですよね」
デスク 「ばっきゃろ! テメエは編集長か? あン?
先生の作品は先生のモンだろが。俺たちみてえなサラリーマンにはどうすることも
できない"作品"なんだ!
ストーリーに口出しできるなんて、微塵も思うなよ。200年早ぇえ!」
担当 「す、すみませんでした。
冬香が死んで、一番ショックがってたの、デスクですもんね」
デスク 「阿呆。渡辺先生の描く女は、なんとも言えない妖しさと艶があンだろ?
日本男児はナ、齢を重ねるとナ、結局、ああいう女を求めるんだ。
見てろ、お前もそのうち、そこいらのアバズレ姉ちゃん追っかけるのは辟易するぜ。
やっぱり、やまとなでしこに還るってわけだよ。
今のニッポンにはナ、しかし冬香みてぇな女性がいねぇんだ。
渡辺先生は、そういう、日本男児に希望を与えてくれてんだよ。
だから! ほらみてみろ。冬香に元気付けられた社長たちががんばってる!
連載始まってからの日経平均の伸びを見てみろよ!
あン? どうなんだ? ちがうか? えっ…?」
担当 「そ…そうスね。」
(あっちゃー、涙目っすか。デスク!
むしろ、さっきのおばちゃんの手紙の指摘通りだな。。。)
デスク 「…しかし……。しかし、なんだな…」
担当 「えっ?」
デスク 「これナ、……冬香を殺っちまったってのさ、
…実は、菊治の夢オチだった……ってことにはならんだろうかなあ?」
担当 「な…ならねえっス!」
以上、妄想終了。
Posted by Johane at 2005年10月01日 00:28
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はじめまして。
「にっけいしんぶん新聞」からきました。
「描写のあまりの淫らさから」にのっけから大笑いしまいた。
デスクもいいキャラですねぇ。
Posted by: sin at 2005年10月03日 10:27