Category Archive【good 本】


日経新聞の土曜日、瀬戸内寂聴さんの連載「奇縁まんだら」が見逃せない。
文壇の新人時代からこれまでの、寂聴さんのおつきあいと人間観察がたまらなく面白いのだ。

林芙美子の「放浪記」(小説)も、菊田一夫の「放浪記」(舞台)も見たことないのだが(恥、
「奇縁まんだら」を読んだ後には

 ああ、絶対に読まなくては、観なくてはいけないな

と、強く思ってしまう。
…と言いつつ、実行されていないんだけど。。。。。


そんなわけで、先に購入して読んでしまったのが、開高健の2作品。

ものすごい。
ものすごい。

文字の間から、匂いがしてくる。
声と、ヘリの爆音と、ナパームの爆音、乾いた銃声が聞こえてくる。
映像が見えてくる。

「地獄の黙示録」や「フルメタル・ジャケット」見て
知った気になってた自分を恥じる。

氏は、実際に米軍のゲリラ掃討作戦に記者として同行しているのだ。
命からがら脱出してきたあたりの話は、もう、なんと言ってよいやら。
当時の氏は、30代の売れっ子作家だったのである。


その気骨を生んだのは、なんだったんだろう?

「開高さんのような、陽気で、気骨のある人がいなくなった」
と、寂聴さんが悲しんでいるとしたら、本当に同情するしかない。

Posted by Johane at 03:04 | Comments (0) | TrackBack (0)

2008年01月09日

「ウェブ時代をゆく」

梅田望夫さんの「ウェブ時代をゆく」を読む。


言葉がいい。

梅田さんの文章は平易なので、ついつい読みすすめてしまうのだが、
実はものすごく大胆な提案や、誰もが経験したことがあるというわけではないようなことを
さらりと説明してくれる。
だから心地いい。

「あちら側」と「こちら側」、「けものみち」、「手ぶら」…など
梅田さんのメタファーには、妙にしっくりくる言葉が使われている。

まったく新しいコンセプトを語る時、
横文字や感覚的な言葉を空回りさせてしまうと収集がつかなくなる。

梅田さんの身近な人の例や、有名な人の例まで、盛りだくさん。

「自分が本当に言いたいことは、他人に言わせろ」

を実行している。

Posted by Johane at 00:05 | Comments (0) | TrackBack (0)

2006年07月05日

「にんげん」

中学のとき「ニンゲンさん」と呼ばれる先輩がいた。

もちろん、あだ名である。
正確に言うと、変化したものらしかった。
元のあだ名は「怪物くん」。
賢明な読者はもう、だいたい想像がついたかもしれない。

眉の乗る骨が前にせり出し、眼のあたりが窪んだ骨格、大きな瞳と長いまつげ。
今思えば、彼はドイツ人サッカー選手のような顔つきをしていた。
それを「ヨーロッパ人っぽい」と取るか、「フランケンシュタインっぽい」と取るかなのだが、他人をほめるということを知らない北陸の田舎町の中学生たちのことである。彼は「フランケン」と呼ばれることになった。
ところが子供たちにとって「フランケン」という名前は、別のキーワードを想起させた。コロコロコミックで育った最初の世代。藤子不二夫先生作品の影響が大きかったのである。
彼のあだ名は、間もなく「怪物くん」に変わった。

自意識が過剰に花開く思春期ど真ん中の少年が「怪物くん」と呼ばれて気持ちいいわけがない。

「おい、怪物くん」
「なあ、怪物くん」
「なにやってんだよ、怪物~!」

栗の花くさい厨房男子としては、無垢なプライドを日々ぼろぼろにされる気持ちだったろう。
彼は次第に、容赦のない、この性根のねじ曲がった友達たちには言うべきことを言わなくてはダメなのだと思うに至った。
そしてある日、決意し、叫び声を上げたのだった。

「俺は、…俺は、"怪物"なんかじゃなああああい!」

裏日本の田舎町の少年としては喝采に値する武勇伝だ。
ぼくがもし彼の立場だったら、そんな風には言えなかっただろう。
しかも彼は、アイデンティティを主張することも忘れなかった。グレートとしかいいようがない。

「俺は、俺は……ニンゲンなんだあああ!


それまで「怪物」呼ばわりしていたまわりの子供たちは、子供たちなりに彼の勇気を受け止めた。
その証拠に、もう誰も彼のことを「怪物くん」と呼ぶことはなかった。

その日から彼は「ニンゲン」と呼ばれることになったからだ。


「おい、ニンゲン」
「なあ、ニンゲン」
「なにやってんだよ、ニンゲン~!」

そして、こんどは律儀な後輩たちが、わけもわからず彼のことを「ニンゲンさん」と呼んだ。
ぼくらにそう呼ばれるとき、彼は、力なく微笑んでいたように見えた。

1981年。マイケルジャクソンが田舎町でも流行りだした頃の、ほほえましくも残酷な物語である。


さて、そんなわけで今回は船井幸雄さんの「にんげん」という書籍の紹介だ。
もちろん「ニンゲンさん」とは何の関係もない。

船井総研の創業者であり、現会長でもある船井幸雄氏に興味を持つようになったのは4月に開催されたイベント「にんげんクラブ」がキッカケだ。

正直な話、船井さんのお話には「???」な内容も多く、最初、面を食らった。
氏が世間一般でいまどのようなポジションにいらっしゃるのかをぼくはまったく知らないのだが、贔屓目に見ても「とんでも系」とか「オカルト」、「新興宗教」に分類されてもいたしかたないのではないかと思う。
ためしに上の「にんげんクラブ」のHPを見てみてほしい。

ところが、「なんじゃこりゃ~?」と思いながらも、話を聞いたり、WEBや本を読み進めてゆくと…

「もしかすると、彼の言うことも一理あるかもしれない」

と思わないではいられなくなる、不思議な説得力がある。

その彼の思想・哲学の核心部分をわかりやすくまとめた本がこの、「にんげん」である。
わかりやすいが、あまりにもコアな話なので、ますます「とんでも系」に見えるところがご愛嬌。
船井幸雄氏の他の著作や講演に触れることなく、いきなりこの本を読んだとしたら、きっと最初の感想は…

「はあ?」

だろう。
いや、自信を持ってそうにちがいない、と言いたい。

ちなみに、この本で紹介されている【有識者の条件】は、こんな調子なのだ!

1)日本経済新聞を読んでいる 
2)精神世界に興味がある    
3)「アセンション」に興味を持ち、「オーリングテスト」という言葉と、そのノウハウを知っている
4)占い師や易学者、チャネラーなどの相談相手を複数持つ


「へ~。オイラ、ほぼ有識者じゃん!」

とうれしくなってしまうのだが、いや、しかし、普通にこの4つの条件を満たす人って単に「ニューエイジ好きの日経読者」なんじゃないの、とツッコミを入れたくなりませんか?


…など、書いていると、ほんとうに長くなってしまいそうなので、とりあえず「と」本扱いで読んでいただきつつ、そこからじっくりと先生の世界に入っていってみてください。
オイラ、最近じゃ、けっこう楽しんでるし、むしろ「信者化」しているかも。。。。。

Posted by Johane at 11:57 | Comments (0) | TrackBack (0)

すっかりご報告が遅れてしまいましたが、先月の末に、初めての自著を出版しました。
処女出版。

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「成功するケータイ通販 ~携帯電話で上手にモノを売るためのルール」
(インデックス・コミュニケーションズ刊 ¥1,470)

ケータイ通販サイトの立上げから運用までの<実践ノウハウ>の本ですが、実は、読み込んで頂くとケータイ通販サイトを作ろうという方(含む企業の担当者)に向けた、
「いま語っておきたい、とっても大事な話」
がさっくりと挿入されていたりします。
「自分の著書」とは言いつつも、共著本で、同じようにアパレル商材のケータイ通販サイトを5年運営してきた某社長さんとの合作です。
書き口がさらりとしているので引っかかりが弱いようにも見えると思うのですが(笑)、この本1冊で約2~3年分の運用ノウハウが詰まってます。

この1,470円はかなりオトクですよ!

(自分で言うなよなあ・笑)

でも本当、「ケータイ通販をはじめよう」とか「ケータイ通販に興味がある」という方には、ぜひご一読をオススメしたいっすな。
…あ、すでにケータイのお仕事をされてる方にも!

[裏話1]
10月の末から11月のアタマにかけて「すごいことになってます」「本を書きました」と書いていたのは、この原稿執筆のためでした。
数週間、寝る間をギリギリまで削って、ずーっとモノを書くという生活を続けていると
だんだんと憂鬱な気持ちになることが判明。
やっぱり人間は会話する動物やねんなあ、としみじみしたり。
気分転換と作業環境がそろうのは、東京中央図書館!
無線LAN(HOT SPOT)と電源が利用できる机が沢山あるのと、公園がよかったなー。


[裏話2]
ご紹介遅れたのには、実は理由があります。
「Amazonに商品紹介が載ったらBLOGに書こう」
と思っていたのですが、アレって意外と発売日過ぎても載らなかったり、写真が掲載されなかったりすることもあるんですね。

Posted by Johane at 02:42 | Comments (4) | TrackBack (0)

犬飼ターボ氏の「チャンス-成功者がくれた運命の鍵」(飛鳥新社刊)を読む。
最近、若い企業家の書いた書籍がベストセラーに並ぶようになった。
(「渋谷ではたらく社長の告白」(藤田晋)、 「20代で始める「夢設計図」」(熊谷正寿)、「すごい会議」(大橋禅太郎)だってそうだ!)
それらいずれもが「金持ち父さん」チルドレンとでも言ったらいいのか、「自分の成功のヒミツを公開します。アナタの参考にしてくださいよ」的なコンテンツである。

スグに使える情報が詰まっていて、このオトク感はハンパじゃない。
読後の「なるほど」感はぶ厚いマーケティング理論の本に勝るとも劣らないものがあると思う。
この本もその例外ではなく、オトク感という点では申し分がない。
それどころか、小説仕立てになっていて(こういうのを「成功小説」というのだそうだ)、物語の世界の中で主人公と同じ目線で学んだり気づいたりするという構成になっているのがユニーク。
きっと、ビジネス書アレルギーのような人もいると思うのだが、こんなスタイルだったらワクワクして読めると思う。

  • ビジネスの成功への早道は「成功者に聞く」
  • 「消費」より先に「投資」
  • 経済的な自由を手に入れたいなら「複数ビジネス」を
  • といった、「金持ち父さん」的なノウハウはもちろん、採用面接でのいい質問の仕方だとか、チームのまとまりの作り方だとか、ちょっとしたノウハウも惜しげなく公開されている。
    主人公と一緒に成長しているような爽快感と、具体的な情報を手に入れられるオトク感が同時に味わえるのはいいですよ!
    「起業しよう」という思いを持つ人にはぜひ一読オススメしたい一冊でした。
    あー、そうそう、オイラのことですね(笑)。

    出版している飛鳥新社さんは、前職時代にとてもお世話になった会社。

    鋭いツッコミ力のある書籍を果敢に作る姿勢が素晴らしい! 改めて感心。

    こういういいネタ、どこから持ってくるんだろう(笑)

    Posted by Johane at 08:51 | Comments (9) | TrackBack (6)

    2005年09月08日

    「人生の旋律」

    amelodyofthelife.jpg

    泣けた! この本は読まないとあかんです!
    マーケティングのカリスマ神田昌典さんの最新刊「人生の旋律」。
    神田さんの著作でありながら、マーケティングと直接関係ないのがポイント。
    昭和~平成を生き抜いた伝説的実業家・近藤トウタにインタビューし、まとめたものだとある。トウタって誰かって? それは……本を読んでみて。
    彼の生き様の中に、学ぶべきコンテンツががっつりと詰まっていて、神田さんはそれを読者に伝えたいのだという。

    その波乱万丈たるや
    「なーんつって、このお話、ぜんぶつくり話だったんだ」
    と言われたら、
    「やっぱり? でき過ぎてると思ったんだ~」
    というような内容であることは、書いている神田さんご本人が言っている(笑)。
    が、逆に言えばそれくらい近藤トウタの生き方・すさまじさは映画じみているし、読んでいるこちらは圧倒されてしまう。
    ページをめくり出したら、最後のページまで閉じることができなくなる! まるでシドニィ・シェルダンの超訳小説みたい!(古い?・笑)
    …しかも、お話のオシリあたりでボロ泣きしてしまうんだけど…。


    トウタの人生を描写すればするほど、世間がぼんやりと考えている幸せ---金銭的な成功、贅沢な生活、自由な時間---は、けっして満足を保証するものではないことが分かってきたのである。そこには、どんなに探してみても、幸せをもたらす答えはなかった。
     幸せとは、いかに生き、いかに死ぬか、という生死観があってはじめて得られる。死をリアルに感じることができなければ、生もまたリアルに感じることができない。不幸をきちんと生きなければ、幸福をきちんと生きることはできない。幸せとは、そうした人生のパラドックスの中から、あたな自身が、自分の物語を引き出すことに他ならないのである。
    「あとがき」より


    ページを閉じた後、自分もトウタのように果敢に生きなくては! 

    と、ものすごい闘志のようなものが湧き上がってくる…(オイラはそうだったんだけど)…はず。

    めちゃくちゃ熱く生きてやるぜ、みたいな衝動に駆られる…(オイラはそうだったんだけど・笑)…はず。



    本当に「読まなくちゃいけない本」のひとつだと思いますよ。いや、マジで。

    Posted by Johane at 02:38 | Comments (0) | TrackBack (0)

    村上春樹訳のレイモンド・カーヴァー全集(The complete works of Raymond Carver)最終巻「8」のタイトルが「必要になったら電話をかけて」。
    和田誠画伯の馬のイラストがかわいくて仕方がない。

    村上春樹文体にアレルギー反応のある方には無理にオススメしないけれど、もし文学が好きというのならば我慢してでも読んでいただきたいと思う、レイ・カーヴァー。
    あ、もちろん英語で読める人は原書で読むのがいいと思います、Raymond Carver。

    オイラが大学生の時分に全集を買い始めたのだが、ようやく昨年に完結したのだ。
    かれこれ20年仕事ですな。

    実はここにあるamazonのリンクは単行本版の「必要になったら…」で、全集版ではない。
    amazonが仕入れてないのかな? 全集版で見逃せないのが、カーヴァーのインタビュー記事である。
    モノを書くということについて、彼の話を聞いているだけで物語を書きたくなってくる。
    どすか!?

    生きていくとき、ものを考えるとき、あるいは書くとき、私はレトリックや抽象性に身をまかせたりはしない。だから人間について描くとき、私はできる限り手で触れることができるようなセッティングに彼らを置こうと努める。そしてそのセッティングの一部に、テレビやテーブルや机の上に置かれたフェルトペンが含まれている、ということになるかもしれない。しかしシーンのなかにいったん持ち込まれたら、それらは話と無関係でいることはできない。べつにそいういう事物が独自の生命を持たなくちゃいけないとか、そんなことを言っているんじゃないよ。でも何らかのかたちで「感じられる」存在でなくちゃならないんだ。



    私にくぐい去ることのできない印象を与えたのは、まわりに実際にいた人々の送っていた生活の中に見受けられたものごとであり、私自身が送っていた生活の中に見受けられたものごとだった。そんな生活の中では、昼でも夜でも、ドアがノックされたり、電話のベルが鳴ったりすると、人々は真剣に肝を冷やす。どうやって家賃を払えばいいのか、彼らには見当もつかないし、冷蔵庫が壊れたらどうすればいいのかもわからないんだ。アナトール・ブロイヤードが私の短編小説『保存されたもの』を批判してこう言った。「冷蔵庫が壊れた。修理屋に電話して、直してもらえばいいだけのことじゃないか」と。そういう指摘は馬鹿げている。修理屋を呼んで直してもらえば、六十ドルはかかるんだ。もし、冷蔵庫が完全に壊れていたら、いったいいくらかかると思う? ブロイヤードは知らないかもしれないが、六十ドルがなくて修理屋を呼べない人たちだって世間にはいるんだよ。


    Posted by Johane at 22:43 | Comments (0) | TrackBack (0)

    2005年08月12日

    麻布十番合唱ナイト

    今週はとうとう5連荘飲み!
    いやいや、楽しいけど、胃が疲れてきましたな。

    今夜は某美人社長Yさんとの極秘プロジェクト打ちあわせのあと、麻布十番で飲み。

    話題の「十番スタンド」(うまい! 牛モツのデミトマ煮込はクセになりそうっす)で、Yさんをご紹介してくれた、Sさんと合流。
    集中豪雨が店のテントをドラミングする中、まったく意味のわからないまま「麻布十番合奏団」とプリントされたTシャツを購入させられる。

    その後、雨に打たれながら、6人きりしか入れないという串カツ屋さんに移動。そこが合唱団の本拠地なのだとか(?)

    すでに4名がいるお店に、無理やり押し込みで3人入店(ひとりキャパオーバー)。

    するとおもむろに店の隅からSさんがギターを取り出し、「うた本」なる分厚い本をひろげる。
    「なんスか?」
    「1曲歌っていこうや」
    「えええ?」
    Sさんのギターでスタートしたのはアニメ「あしたのジョー」主題歌。
    「えええ?」
    と言ってた割に、終電を逃しつつ、終バス時間までSさんのギター伴奏でアニソンメドレー。

    楽しすぎました。
    これが「麻布十番合奏団」の活動だそうです。
    今度はユニホームを来て参加しよっと。





    ずっと以前に買ったままだった文庫を引っ張り出して読み出したらとまらない!
    スコット・スミスの「シンプルプラン」。
    あまりに怖くて本を閉じてしまう(笑)。ああ、それなのに、読まずにいられない…。

    (同名の映画でご存知の方も多いのではないかと思うけど)
    普通のひとが、自分に言い訳しながら殺人鬼になってゆく物語。
    何が怖いって、こういうふうに自分も殺人鬼になってゆくんじゃないかと思わせるのがスゴい。
    つか、、鋭すぎる。スコット・スミス27歳の時の作品と聞いて、またびっくり!
    こんなにもドライで、人間的で、エグい小説は、どんな風に構想するんだろう?

    Posted by Johane at 23:59 | Comments (0) | TrackBack (2)