Category Archive【愛ルケ】


渡辺淳一氏の「愛ルケ」の騒ぎも忘れそうになって油断していたら、
日経新聞の連載小説がまたまたあらぬ方向へ行ってるじゃありませんか。

芥川賞作家であり、芥川賞選考委員でもある高樹のぶ子氏の連載
甘苦上海(がんくうしゃんはい)」のことです。
(※ここで連載が読めます)

もっとも「甘苦上海」を「愛の流刑地」と一緒にしたら、高樹先生に怒られるかもしれません。
渡辺氏の「愛ルケ」の妄想っぷりときたら、そりゃ、あなた!ファンタジー小説の領域。

「…ちょ、ちょっ! そんな都合のいい展開、ありえないから!」

執拗なまでに繰り出されるツッコミポイントの多さは"画期的"とも言えるほどで、
いちいちツッコむことを楽しみとするか、
逆に「はい、はい、これは想像の世界ですからね~」と意識的に流すようにしないと
先に読み進められない作品でした。


「甘苦…」をそんなファンタジー小説と並べて語るのは、本当に恐縮です。
街の描写や登場する人物たちの言葉が、体温や湿度、匂いを放ちます。
よはねは上海に行ったことありませんが、きっとこれがリアルなんだろうなあ、と
感じさせる迫力があります。


高樹先生のブログ「SIA=Soaked in Asia」
(意味は「アジア浸り」ということでしょうか)の説明には

作家高樹のぶ子氏がアジアの文学作品やその作家、
地域の人々との交流を通じて、自身が感じた「アジア」を発信していきます。

とあり、先生がアジアにただならぬ関心を寄せ、
また、日頃から丁寧に取材されていることがわかります。


しかし!
しかし、その綿密な描写に喝采しながらもなお、
「この日経新聞朝刊の連載小説は渡辺先生と同じ地雷を踏んでる」
と指摘しないでいられないところがあります。

物語の核をなす、主人公の恋人の描写です。


このふたつの小説は奇しくも
作家と同じ性別・同年代の主人公が、極端に若い異性と関係する
という、共通点を持っていますが、

その恋人があまりに主人公にとって都合よすぎる

というところまでそっくりなのです。

「愛ルケ」の冬香も、「甘苦」の京も、美化のされ方がハンパありません。
(美化といっても、セックス・アイドルとしての美化なところがポイントです)

雪のような肌をした、
貞淑な妻が作家との情事では異常なまでの痴態を見せる…という冬香。
※男性読者にとってのセックスアイドル像
美しく、理想的な肢体の中に、
得体の知れない狂気と繊細なる悲しみを湛える日本人留学生、京。
※女性読者にとってのセックスアイドル像

…ほうら、ね?
いわゆる「萌え」要素を詰め込んでるというか、
オナニーするときの妄想キャラ設定みたいだと思いませんか?


そして、主人公が恋人とが「やらかす」シーンでは、その妄想が急加速します。
そして、なぜか「エロ・ファンタジー小説」の方に行っちゃってます。


「愛ルケ」ではブランデーの"わかめ酒"なんかが話題になってましたね(涙
そんなの、ありえないだろう、と。
でも、「甘苦」のこのシーンなんか読むと、あの感覚が蘇ってくるのです。

「…ほんとうに、セックスはいいんだよ」
「ミ…」
「紅子さんのココ、いいんだ、自分でわかってる?」
「診断書では…褒められてもいなかったけど」
「入り口に、猫の舌が仕組まれてる」
「…それも診断書には…無かった」

(「甘苦上海」第76回)

ありえね~!


果たしてこの「あまりにわかりやすすぎる」下ネタの仕込みは、
偶然の一致なのでしょうか?
もしかして……この連載コーナーの編集方針では?
なんて勘繰りたくなりませんか?

んっ? 編集方針?
んんっ? 編集部??


さあ、賢明な読者のみなさんならきっとお気づきでしょう。
そうです、あの編集部ならやらかさないわけがありません。
(…と、実はここからわたしの妄想なわけですが)


きっと、こんな会話がされてるに違いないんですよ!

以下、妄想の日経文芸担当編集部の会話

担当  「あ、デスク! …じゃなかった…次長! おひさしぶりです」

次長  「おー、元気そうじゃねぇか。東京はしっかし、寒いな。
      ポコチンがちぢこまっちゃっていけねぇや」

じょろじょろじょろじょろ…

担当  「あ、あはは。相変わらずお元気そうですねぇ。
      ああ、次長ご昇進、おめでとうございます! 
      東京は1年ぶりですか?」

次長  「おうよ、1年でご勘弁していただいたってところよ。
      寒くっても、やっぱ本社がいいってもんだな」

担当  「あ、そういえば高樹先生の連載の件ではありがとうございました」

次長  「あ? あぁ、あぁ、おまえンところのオンナ上司な。あいつ、わかったみたい?」

担当  「はい、次長からのアドバイス、すごく参考になったって喜んでましたよ」

次長  「日経の小説はナ、日本の経済を元気にするエネルギーがなくっちゃダメなんだ。
      社長たちが朝からぐぐっ、と来るコンテンツよ。
      北方先生の連載もよかったなぁ! 
      毎んち支社行くのに「今日も喧嘩(でいり)だ」って気になったぜ。
      改革路線を継続への援護射撃だったんだがな」

担当  「え? あ……は、はい、
      あの連載のころは、まるで自分も喧嘩に強くて、革新的な経営センスのあるオトコ
      になったような気分になりました」

次長  「んだろ? そうなんだよ。
      そういうのが大事なんだよ、経営者のマインドに訴えかけるアトモスフェアってヤツだ。
      でもって、女の時代の高まりを背景に高樹先生にバトンタッチだよ。
      ところで、お前んところのあのオンナはまだ恋人ナシか?」

担当  「え? あ、デスクのことですか?
      まー、アラフォーでデスクまでこなすスーパーレディですからね……。
      ある意味、仕事が恋人なんじゃないですか?」

次長  「よーし、いいぞ。それでこそだナ」

担当  「え? ん? なンすか? 連載の話とデスクのことと、なんか関係ありました?」

次長  「はぁ? なんすかだと? 
      お前ナ~、ほんっとにそんな寝惚けたこと言ってっと、ぶっ殺されるぞ」 

担当  「す、すみません」

次長  「今回の連載の、狙いどころはどこだかわかってんだろ?」

担当  「は、はい。……女性の経営者を元気にしよう、って企画です」

次長  「そうだナ。 …で、それだけだったか?」

担当  「え、えっと……、アジアの熱気と日本のビジネスとの相互作用とギャップが……」

次長  「阿呆! 
      お前のダメさはほんっとに変わってないな。
      オバマの演説聞いてなかなかったのかよ? あン? 
      CHANGE! だ、 CHANGE! 
      チンゲじゃねぇぞ、チェンジっつってたんだぞ、コラ。
      アジアと日本のビジネス云々なんか聞いて社長が燃えるか?」

担当  「え、ええと……」

次長  「ちがうだろ。

      女性経営者を熱くする。

      それと同時に、
      男性経営者も熱くすることができるのかを
      フィジビリティ・スタディする

      …だろ?」

担当  「は?」

次長  「あんだよ、あの女は大事なところを抜かしてんだな。
      渡辺先生の『失楽園』と『愛の流刑地』で図らずも実証されたのは、
      濡れ場のある連載が景気をよくするってことだったろ?

      あのパクリ絵事件のおかげでいい勉強させてもらったわけだよ」

担当  「まあ、偶然という話もありますけどね」

次長  「阿保! あれは偶然じゃねえ。シカケが成功したんだ。
      朝から臍下丹田に気を満たした経営者がはりきったからこそ、
      戦後最長の好景気になったんだ。
      しかしナ、問題もあったわけだよ。
      『愛の流刑地』を『愛ルケ』だとか言っておちょくる奴らや、
      ほら、フェミニストまがいのバアさんたちな」

担当  「次長がデスク時代にぼくに教えてくれた
      "大抗議は、大反響の仲間"って、あれですね」

次長  「一部では不買運動まで起こしかけてた、熱心な婆さんたちもいたわけだ。
      実は、あれはあれで、ヤバい橋だったとわかったわけだ。
      功もあれば罪もある、と。
      そこで考えたンだ。
      女の登場人物を濡れ場の道具にすると、目くじら立てるババアがしゃしゃり出てくる。
      じゃ、男の登場人物を濡れ場の道具にしたらどうた? ってな。」

担当  「は、はぁ~」

次長  「おめぇは鳩か? 豆鉄砲食らってんじゃねぇぞ。
      お前のオンナ上司が教えてくれなくったって、
      それぐらい手前ぇでも気づくだろ?」

担当  「なるほど。たしかに、京が紅子さんのセックスの道具のように扱われてても
      ぜんぜんムカつかないですね」

次長  「それどころか、男としちゃ、ちょっとムラムラっと来るだろ?」

担当  「た、たしかに…
      ぼくも、紅子さんみたいな女性ならいいかもな、なんて…」

次長  「それだ!
      おめぇみてぇに若い女の尻追っかけんのが好きな馬鹿男も、
      高樹先生の筆にかかっちゃ宗旨替え、ってわけだよ」

担当  「じゅ…熟女好きになっちゃいますか?」

次長  「おうよ! 
      高樹先生の瑞々しい筆がいいじゃねえか!
      京の描写なんか、お前ぇ、絶妙だろ? もう女性読者はメロメロらしいぞ。
      あれが、おれっちみたいなリアルな男だったらどうなったと思う?
      あの耽美的な世界は絶対に作れねぇ。
      狂気と悲しさを湛える、ワルで、繊細で、美しい男だからいいんだ。
      ヅカの男役みてぇな、ありそうでありえねぇ男だろ?」

担当  「いや、わかりますけど、それとデスクとはどういう関係が?」

次長  「まだピンとこねぇのか?
      しょうがねぇ奴だな。全部おれに喋らすのかよ? え?
      人事のことだからあんまりでけぇ声じゃ言えねえが、
      そもそもデスクを女にしたのもそこに理由があンだよ。

      女流作家の先生と、濡れ場の打ち合わせできるか? お前?」

担当  「いや……、やれ、と言われればやりますけど…」

次長  「阿呆! 
     お前みたいなの相手に打ち合わせしたら、先生がやりにくいだろ」

担当  「そ、そんなもんスか?」

次長  「女ってのは、女どうしが群れたときに真のエロスを発揮するもんなんだ。
      わかんねぇか?」

担当  「そ、そうかもしれないです」

次長  「えーと、なんだ? ほら。
      いま、しょんべん臭ぇエロまんがが流行ってんだろ?
      女の腐ったようなオンナに…」

担当  「あー、腐女子ですね?」

次長  「そう、それよ!
      女同志の変態同人ナ。
      あれだってそうだろ?

      あと、ベッドで変態ごっこして喜ぶののはたいてい女子校出身者だ。
      杉田玄白のターヘル・アナトミアにも書いてあっただろ?」

担当  「 い、いやー、それは…」

次長  「その日本の由緒正しき学術的考察に基づき、
      日経新聞の日本の景気回復プロジェクトとして投入されたのが、
      お前んトコのオンナデスク、ってわけだよ」

担当  「ま、まじですか?」

次長  「あの女、見るからに欲求不満溜まってそうじゃねぇか。
      ブスってわけじゃねぇし、頭もいい。
      それにエロい話もフツーにわいわいやってるくせに、
      男っ気がねぇ。
      不倫もしてねぇと来てる」

担当  「そ、そんなことまでなんで知ってんですか?
      …ちょ、調査を??」
      
次長  「ったりまえだろ、
      言ってみれば国家プロジェクトみたいなもんだからな」

担当  「うっ、うちの連載小説って、国家…!!むぐむぐっ、おえっ、おえっ」

次長  「阿呆ったれ! 声がでけぇだろ。」 

担当  「す、すみません。 あ、うえー、びっくりした。
      次長、トイレで手ぇ拭いて濡れたハンカチを
      口に突っ込むの、やめてください。おえっ、
      えづきます、吐きそうです」

次長  「ま、こっちの見立て通り、あのデスクが、高樹先生とやってくれてるみてぇだな。
      おかげでいい感じで盛り上がってきてるだろ。
      ヅカの男役みたいな恋人ってのは、
      オレみてぇな紳士からすっと、ちょっと、鼻につくけどよ。

      エロスのレベルで言や、渡辺先生に比肩するってもんだろ?
      高樹先生と、あのオンナとで、もっともっと妄想して
      エロいファンタジーが盛り上がってくれるといいんだがな~」

担当  「ミミズ千匹だか、数の子天井だかの話が出てきましたね。
      最近、堺屋先生や北方先生の作品で免疫が切れかけてたんで、びっくりしました」

次長  「いいだろ、あれ。 なあ?
      ああいう、わかりやすい濡れ場や設定ってのが大事なんだよ。

      女性社長には、愁いのあるホスト張りの京の魅力で、
      男性社長には、紅子の発酵した熟女のエロさで元気になってもらう。

      今度のは誰にも文句言わせねぇ。
      社長も、フェミニストのババアも、朝からぐっと来て元気出すわけだ。

      100年に一度の金融危機だ?
      おもしれぇじゃねえか。
      日本には日経新聞があるってところ見せてやろうじゃねえか? ナ?
      アメリカも、欧州も、他のアジアも出し抜いて、
      ばつーん、とV字回復してやんのよ!
      
      このプロジェクトが成功したら、
      中国、韓国、台湾あたりの経済新聞でも展開するってことになってんだ」

担当  「いや、日本だから許されるんであって、
      アジアの各国がそんなにモラルに奔放ってわけにはいかないんじゃ…
      (ぶつぶつ)」

次長  「俺が担当だったら、紅子に
      『ひぃー、かんにんや、堪忍してぇ』
      って言わせてぇなあ。社長たち、燃えるぜ~」

担当  「そ、それは、団鬼六先生の十八番(オハコ)っす!」

次長  「京が
      『ええか、ええのんか? 最高か?』
      ってのも喜びそうだな。くっくっく」

担当  「それは鶴光師匠!」

次長  「ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ言いやがるなあ。
      じゃ、お前ぇはどうなんだ? 腹案あンのか?
      えっ?
      日本の社長たちが熱くなるような濡れ場だぞ、コラ!」

担当  「……」

次長  「あン? なんだと? 聞こえねえだろ」

担当  「わたしを…」

次長  「わたしを?」

担当  「わたしを……殺して」


次長  「お前ぇ、マジでぶっ殺されたいだろ?」
     

以上、妄想終了!

※本エントリーの青地部分は完全なフィクション(妄想)であり、
  実在する企業や個人とは無関係ですのでご了承ください。




Posted by Johane at 05:04 | Comments (0) | TrackBack (3)

<前回までのあらすじ>
作家の渡辺淳一先生(72)が日経新聞で連載中の小説「愛の流刑地」(通称「愛ルケ」)は、主人公である作家の村尾菊治(55)と人妻・入江冬香(37)の恋愛小説である。しかし描写のあまりの淫らさから「不快極まりない」、「青少年への悪影響は?」、「むしろ、スポーツ紙の風俗小説以下」、「女性蔑視表現が尋常ではない」、「この連載がある間は日経の購読を中止する!」などの謗りや抗議の声が多数上がる。またインターネット上では「愛ルケ」にツッコミを入れるサイトに人気が集まったり、某大手下着メーカー社長が「楽しみにしている」とブログで書いたために不買騒ぎ→謝罪→ブログ廃止になったりと、様々な話題を振りまいてきた。「意図的な話題づくりだろうが、行き過ぎではないか?」との批判が集まる中、物語は主人公・菊治が「冬香の求めるままに首を絞め、勢いあまって殺してしまう」という、おどろおどろしい展開に。純愛物語の山場、[主人公の、苦難と忍耐]の章に突入となった。当の日経新聞は「失楽園」ブームで実績のある渡辺淳一先生作品だからなのか、粛々と連載を続けている。(「愛ルケ」の<あらすじ>はNIKKEI NETでも見られます)。

(ココから先は妄想)
しかし、日経新聞の「愛ルケ」担当編集は騒動の中、苛立ち、苦しんでいた。

担当  「『愛の流刑地』の批判的な投書、しかし飽きもせず書く人絶えないですねー。」

デスク 「えー、なになに? なんだよ、またフェミニズムのおばちゃんか?

      「純愛」が聞いて呆れます。 だとよ?
      まるで女性を性の玩具同然に扱っておきながら、「それは純愛だから」と言えば
      免罪されるとお考えなのでしょうか。
      あまりに身勝手で、あまりに虫のいい「純愛」に怒りを禁じえません。

      しかも、冬香なる登場人物を主人公が「性愛の高まりゆえに殺した」というくだり
      に至っては、怒りを通り過ぎて呆れてしまいました。
      物語の中では「ふたりの高まりゆえに」ということになっていますが、
      物語を俯瞰して読むならば、作者はこの女性を最初から殺したかったのだと
      思わないではいられません。
      主人公がこの女性を喪失して感傷に浸るという筋書きのためだけに。

      物語を盛り上げるために、不倫相手である冬香には子供を持たせ、
      目にするのも憚るような激しい性愛描写をしていたのですね。
      いくら物語の中の人物とはいえ、この弄び方は尋常ではありません。
      そこに作者の、「女性に対する驕り」「女性に対する蔑視」の姿勢を
      しっかりと見て取れます。彼は女性をまともな人間として扱う気がないのでしょう。
      幼い子をもつ女性がどれほどの愛情と母性で子供を育てているのかを
      きっとご存知ないのだと思います。
      子供との触れ合いの中に母としての人生の価値を見出そうと葛藤することもなく
      ただ性愛の喜びを見つけてくれたという理由だけで、
      男に命を捧げようとした女がいた、という物語なのだとすれば、
      少なくとも「純愛」などと表現するのは止めて頂きたい。
      人間はそれほど愚かでも、単純でもあるはずがありません。
      冬香という女性は、せいぜい
      「男の想像の世界の中にだけ存在する、都合のいい女」です。
      つまりポルノ写真の中のピンナップガールです。
      このように低俗で、人間の尊厳を冒涜するような作品を
      懲りもせず連載している貴紙に対して強い憤りを感じます。
      即刻、「愛の流刑地」の連載を中止されることを望みます。
      人として最低限のモラルを持った作家先生が連載執筆されますことをお祈りいたします。

      あっはっは、このおばちゃん、文句つらつら書いてる割には
      毎日よく読んでくれてる熱心な読者様じゃねえか。なあ?」

担当  「そうなんですよ。文句書いてる割に、よく読みこんでるなー、って人多いですよね(笑)
     けど、なかなか鋭いツッコミじゃないですか?」

デスク 「阿呆。いいじゃねえか。いいカンジに盛り上がってるじゃねえか。
     こういう、文句の長文が来るってのは、話題になってる証拠なんだよ。
     いいか、おぃ、『抗議』ってのは、決して『評判』の反対語じゃねえんだぃ。
     『大抗議』ってのは、『大評判』の親戚なんだよ

担当  「じゃ、『大評判』の反対語は、ナンなんです?」

デスク 「阿呆! お前、大学でナニ勉強してきたんだよ?
     『大評判』の反対語は『無視』って、大政奉還の時代から決まってんだろ。
     何の反応もなくなったら、そン時がヤバイ時だ!」

担当  「でも、冬香が死んでからは、今までとちょっと違う投書も増えましたよね。
     男性読者から、『どうして殺してしまったんだ!』っていうのが。
     大丈夫っすかねえ?
     いやココだけの話、ボクも正直、"死にオチ"はちょっとルール違反じゃ?
     って思ったんですよね」

デスク 「ばっきゃろ! テメエは編集長か? あン?
     先生の作品は先生のモンだろが。俺たちみてえなサラリーマンにはどうすることも
     できない"作品"なんだ!
     ストーリーに口出しできるなんて、微塵も思うなよ。200年早ぇえ!」

担当  「す、すみませんでした。
     冬香が死んで、一番ショックがってたの、デスクですもんね」

デスク 「阿呆。渡辺先生の描く女は、なんとも言えない妖しさと艶があンだろ?
     日本男児はナ、齢を重ねるとナ、結局、ああいう女を求めるんだ。
     見てろ、お前もそのうち、そこいらのアバズレ姉ちゃん追っかけるのは辟易するぜ。
     やっぱり、やまとなでしこに還るってわけだよ。
     今のニッポンにはナ、しかし冬香みてぇな女性がいねぇんだ。
     渡辺先生は、そういう、日本男児に希望を与えてくれてんだよ。
     だから! ほらみてみろ。冬香に元気付けられた社長たちががんばってる!
     連載始まってからの日経平均の伸びを見てみろよ!
     あン? どうなんだ? ちがうか? えっ…?」

担当  「そ…そうスね。」
     (あっちゃー、涙目っすか。デスク! 
      むしろ、さっきのおばちゃんの手紙の指摘通りだな。。。)

デスク 「…しかし……。しかし、なんだな…」

担当  「えっ?」

デスク 「これナ、……冬香を殺っちまったってのさ、

     …実は、菊治の夢オチだった……ってことにはならんだろうかなあ?」




担当  「な…ならねえっス!」

以上、妄想終了。

Posted by Johane at 00:28 | Comments (7) | TrackBack (2)

日経新聞に連載中の小説、渡辺淳一先生の「愛の流刑地」。

朝っぱらから「秘所」だの「愛撫」だの、シックスナイン描写だの…と、穏やかではない。
日本を代表する経済新聞の折り込み面にエロ小説。海外のメディアが
「日本の、セックスに対する、信じられないほどの寛容さ」
なんて見出しを付けて、喜んで取り上げそうなネタだと思うのだが、どうなんだろう?
(日経新聞は高校生あたりも読んでるんとちゃいますか? コンビニでエロ本売ってるのと一緒っす)

先日の「59番目のプロポーズ」の紹介の中で引用したら、その日からこのブログへのアクセスが急増(笑)。
解析結果を見たら、「愛の流刑地」のキーワード検索してくる人たちが沢山いるらしいことがわかった!
「愛ルケ」の愛称でツッコミを入れるサイトも人気だし、「愛の流刑地」ネタ、実はネットで大爆発してるみたい?!

しかし、そもそも、なんでまた日経新聞にエロ小説なのか?

ベースには「失楽園ブームよ、もう一度!」という思いがあるのは間違いなさそうだ。
「大人の純愛」なる、(←ちょっとどうかと思うけど…)導火線に火をつけた「失楽園」の成功があったからこそ、ここまでエロエロな企画が臆面もなく日経の朝刊に登場しているのだ。きっと裏ではすでに単行本化や映画化など、「失楽園」のときのチームが動き始めているにちがいない。


担当 「 こんな卑猥な作品を天下の日経に掲載していいのか、って投書がまたこんなに来てますよ」

デスク「 阿呆! 連載途中にやいのやいの言われるのは、『失楽園』のときも一緒だったんだよ。
     最終回までに「文化」の匂いのする作品に仕上げていただければ、大丈夫なんだ。
     妙な心配してねえで、渡辺先生の筆の勢いをもっともっと盛り上げて差し上げろ!」


とかなんとか(以上妄想)。
しかし、また、どうしてこのタイミングで?
答えは、この連載の前の作品、「新リア王」にあるのではないかと勘ぐってしまう。

「新リア王」は高村薫先生が執筆し、03年3月に連載開始され、04年10月31日に連載打ち切りとなった作品である。
連載開始時には「あの、『レディ ジョーカー』の…」などと日経の紙面にも大々的に告知されたが、「政治と仏教」という非常に重く、暗いテーマ。一文が10行以上にも渡る長文や、独白風の言い回しは、ほかの高村作品と比較しても、群を抜く読みにくさであった。読者の評判は相当に悪かったのではないか。
しかもフィクションでありながら、有名政治家の名前が登場するなど、「ちょっと、これ、大丈夫?」というシーンが出てくる。連載打ち切りは政治家からの圧力があったのではないかとう説があるが、おそらくその通りだろう。
しかも悪いことに、途中、挿絵画家が「アエラ」の表紙写真を無断で下絵に使ったなどの事件があった。
そのあたりから、日経新聞はこの連載を「守りきる」ことができなくなったのではないかと想像する。


デスク「だから、最初から俺は高村薫はやだっつったんだよ!」

担当 「でも、『レディ ジョーカー』のファンだって、先生に言ってたのはデスクでは??」

デスク「阿呆! お前があんなパクリの絵師ブッキングしたから俺も守りきれなくなったんだろうが。
     政治部の奴らなんかカンカンだぞ。朝日の奴らに「パクリ新聞」呼ばわりされるわ、
     ●●先生や■■先生には「あの実名入り小説はどういうことなんだ」と怒鳴られるわ…。
     そんな辛気臭い小説、いつまで垂れ流しておくつもりだ? とよ」

担当 「…って、どうしましょうか? 連載開始時にこういう構成でOK出したのはこちらですし」

デスク「打ち切りだ、打ち切り! 打ち切るしかねえだろ。
     理由なんざ、いくらでも出せるだろうがよ」

担当 「ど、どうするんです? その後は?」

デスク「二度と政治の匂いのする作品は連載しない、ってことで握ってきた。
     疫病神のお払いがてら、ドカーンと一発、花火みてえな連載を持ってくる!」

担当 「いや、持って来る…って、どこにそんな作品執筆してくれる先生がいるんですか?」

デスク「阿呆! 渡辺先生がいらっしゃるだろ。渡辺先生が!
    『失楽園』よ、もう一度、だ!」

担当 「あ、…ああ! その手がありましたね!」

デスク「先生にこの前お会いしたとき仰ってた!
    『失楽園』の倍くらい官能的な構想をお持ちなんだと」

担当 「…倍って…。あの、大丈夫っすか?
      スポーツ夕刊紙のエロ小説みたいなことになりませんかね?」

デスク「阿呆! 渡辺先生の小説はエロじゃねえ。官能小説だ。
     そもそも『失楽園』だって、エロだ、不倫だって騒いだのは女性週刊誌だろ。
     それだって、映画ができるころには迎合してたんだからな。
     読者の、働き盛りの男性たちには『生きる希望』って喜ばれるってもんだ!
     元気になって、景気だって上向きになってくる!
     官能小説ってのは、そういう特別な力があるんだよ」

担当 「…は、はあ」

デスク「すぐ渡辺先生に連絡して、ご承諾取って来い!
       取れたらすぐ高村先生に打ち切りの件お伝えしろ!
     ただし、絶対に圧力がありましたなんて言うなよ。わかってるな!
     あと、挿絵画家は絶対パクリしねえ先生をブッキングしろよ!」

担当 「…は、はいっ」


…とかなんとか(以上妄想)。

かくして、連載小説「愛の流刑地」は、超法規的措置に近い形で連載に…。
だから、ますますもってエロ街道一直線なのだ。
…って、いや、全部妄想だけど(笑)

「愛ルケ」サイトなどでさんざんツッコミ入れられている「愛の流刑地」だが、爺さんビジネスマンの集まりでは相当評判がいいらしい。
「男に生きる希望を与える」コンテンツづくりと言う点では、成功というべきか。
…って、いや、全部妄想なんだった(笑)

「愛の流刑地」の話題BLOG

Posted by Johane at 05:17 | Comments (8) | TrackBack (2)